ナガの短く映画を語りたい

改まった解説や考察をするつもりはありません。とにかく適当に映画語りしていきます。

【ワンシーン批評】『マッドマックス2』:これこそが続編映画に求めるものだ!!(ネタバレなし)

 

はじめに

 

 みなさんこんにちは。ナガです。

 

 今回も引き続き私のオールタイムベスト映画トップ10からのチョイスになります。今回紹介するのは『マッドマックス2』です。この作品は私が全ての続編映画の中で最も素晴らしいものだと考えている1作です。

 

 そのため本記事では、いつも通り映画の中から1つシーンを選んで短評を加えるとともに、私がなぜ『マッドマックス2』こそが最高の続編映画と考えるのか、その理由も少しお話しできたらと考えております。

 

作品情報

 

邦題 :マッドマックス2
原題 :Mad Max2: The Road Warrior
監督 :ジョージ・ミラー
脚本 :テリー・ヘイズ/ジョージ・ミラー/ブライアン・ハナント

製作  :バイロンケネディ
出演者 :メル・ギブソン
音楽 :ブライアン・メイ
撮影 :ディーン・セムラー
編集 :マイケル・マルソン/デイヴィッド・スティーヴン/ティム・ウェルバーン
配給 :ワーナー・ブラザース
公開 :オーストラリア:1981年12月24日
    日本:1981年12月26日
上映時間:91分
製作国:オーストラリア
言語 :英語
製作費:AUD 4,000,000

 

今回のワンシーン

 

 守るべき命を失ったマックスの決死のカーチェイスから2年。またあの男のマッドな姿を拝めるのか・・・と思った矢先に登場したのは、あまりにもクレイジーすぎる野郎だった。赤い色のモヒカンが顔を覗かせた時、我々は映画史上最もカオスな世界に足を踏み入れるのだ。

 

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批評:これこそが続編映画に求めるものだ!!

 

 警官であるマックスが最愛の者の命を奪った暴走族たちに決死のカーチェイスを挑み、警官という身分をかなぐり捨てたビジランテと化し、トーカッターらを壊滅させた第1作から2年の月日が流れ、公開されたのが本作『マッドマックス2』です。

 復讐を果たすも、何もかもを失い1人でインターセプターと共に荒野へと繰り出していったマックスがあの後どうなったのだろうか?という誰もが気になる物語が描かれるのだろうと胸の高鳴りが止まりません。

 

 すると本編開始早々いきなり始まるのはいわゆる"前回までのあらすじ"というやつです。なぜ『マッドマックス』の世界観が荒廃しているのかという説明から入り、前作のマックスの物語までもが紹介され、約3分ほどの映像となっています。その中でまず衝撃的なのが、この映画の世界が"世紀末"になった契機です。

 

 何か分からぬ理由で2大国が戦い、世界中を火の海にした。

 

 この「何か分からぬ理由で」っていうのが個人的に大好きな表現なんですよ。一見適当で、不誠実にも見えるのですが、実は本質を突いた表現です。人間が歴史のあちこちで引き起こしてきた戦争というのはそれを見下ろす神の視点からすると、はたまたその戦争を歴史として後世から振り返る者の視点からすると「何か分からぬ理由で」戦っているに過ぎないんです。

 そしていきなりカーチェイスが始まります。マックスはトーカッターの残党から追われているのでしょうか?はたまた新勢力が登場したのでしょうか?2台の車と1台のバイクが彼を追ってきます。

 バイクに乗っている者の出で立ちはロングショットではその輪郭がはっきりしません。マックスに次第に迫ってくる追っ手。そして1台の車がマックスのインターセプターの真横を並走しようと試みます。すると一瞬並走している車の背後に、追っ手のバイクが回り込んでいる様子がうかがえます。

 次の瞬間です、ボウガンのような武器をマックスに向けながらバイクに乗った赤いモヒカンの男が姿を露わにします。

 

 あれ?見る映画を間違えたのか?

 

 でも確かにこれは紛れもない『マッドマックス2』です。本編スタートからまだ5分も経っていないにも関わらず、前作の世界観から想像もできないような出で立ちの男が登場するのです。

 このシーンを皮切りにして『マッドマックス2』の世界観はあっという間にカオスの渦の中に巻き込まれていきます。これが本当にあの『マッドマックス』の続編なのか?という疑問が晴れないままストーリーはどんどんと展開されていくのですが、これがもう面白いんです。

 マックスとインターセプターが出てくるためにかろうじてこれが続編であるという意識を保てるのですが、こんなに前作に繋がっているのかどうかが定かでない続編が他にあるでしょうか?

 

 しかし、これこそが私の望む続編の在り方です。近年ハリウッド映画はネタ切れなのか何なのか知りませんが、続編や過去作のリブートに依存する傾向が顕著になってきています。その傾向自体が悪いとは言いません。しかし、どの作品も作りが無難すぎるのです。

 そんな中でジョージ・ミラー監督は『マッドマックス:怒りのデスロード』を世に送り出して21世紀に生きる我々にまたまた計り知れないほどの衝撃を与えてくれたのですからアッパレの一言に尽きます。

 名作として定着しものをわざわざ掘り返して、現代に復活させようというならば、それをする意義をはっきり見せて欲しいのです。前作のファンに目配せをするオマージュ演出に溢れた続編なんてクソ食らえだと思ってます。続編をやるなら全く新しいものを見せて欲しいんです。

 だからこそ私はジョージ・ミラー監督が『マッドマックス2』で魅せた続編に対する姿勢をいつまでも尊敬しています。あれは続編だったのだろうか?と未だに疑問に思うこともあります、それでも確かにあれは続編だったのだと思います。

 

 全ての続編映画は開始5分で赤いモヒカンの男を登場させるべきだろう!!(笑)

 

商品リンク

・『マッドマックス2』

 

・『マッドマックス:怒りのデスロード』

 

 今回も読んでくださった方ありがとうございました。