【映画おすすめサービス1】第2次世界大戦についてより理解が深まるような映画はありませんか?
はじめに
今回は当ブログの映画おすすめサービスをご利用いただきありがとうございます。こうして映画についてやり取りをする機会を持てたこと非常に嬉しく思います。
とうごさんからのご要望は、「第2次世界大戦についてより理解が深まるような映画はありませんか?」とのことでした。私の方からそれに該当するおすすめの映画をいくつかご紹介させていただけたらと思います。
『スターリングラード』(1993):監督・脚本 ヨゼフ・フィルスマイアー
2000年にジャンジャックアノー監督が同名の映画を製作していますが、おすすめは専ら1993年のヨゼフ・フィルスマイアー監督版です。スターリングラードの攻防は第2次世界大戦の大きなターニングポイントであり、独ソ戦の明暗を分けた重要な戦いです。しかし、日本で歴史を勉強するとどうしてもこの戦いについて具体的に知ることなく終わってしまいます。ただこの市街戦で、スターリングラードに戦前60万人いた住民が9800人まで減少したという事実がこの戦いの壮絶さを物語っています。
寒さ、絶望、死、飢え、孤独。スターリングラードの地で繰り広げられたドイツ軍とソ連赤軍の戦いが残酷すぎるほど鮮明に映し出された映画です。この映画を見て考えさせられるのは、戦争とは決して美談でも英雄譚でもないということです。ただ人が死んでいき、死体が地面に横たわる、これが戦争の本質です。その目をそむけたくなるような事実とこの映画を見ることで、嫌でも向き合うこととなります。だからこそ私にとってもあまりにも強烈で忘れられない戦争映画の1つです。
第二次世界大戦について知るという意味でも重要なスターリングラードの攻防を題材にしつつ、「戦争」の本質についても考えることが出来るこの上なく素晴らしい1本だと思います。
『サウルの息子』(2015):監督・脚本 ネメシュ・ラースロー
第88回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したハンガリーの映画作品です。第2次世界大戦そのものからは少し外れますが、ナチス政権下で行われたホロコーストについて知りたいということであれば、この映画は最適かと思います。
この作品の主人公は強制収容所内でゾンダーコマンドという役職で使役されています。これはユダヤ人を殺戮していく強制収容所の中で、殺害したユダヤ人を火葬したり、ガス室の清掃をしたりする、言わば虐殺幇助をさせられたユダヤ人たちの総称です。自分たちの同族の殺害に加担させられるというこの役職の残酷さはすぐにお分かりいただけると思います。
この映画はひたすらに1人称視点で撮られていて、まるで見ている自分が当時の強制収容所内にタイムスリップしたかのような感覚を与えてくれます。強制収容所が孕む閉塞感、死の臭い、絶望と狂気、あまりにも異様すぎる空気に思わず息を飲みます。私はこの映画を映画館で見た時に吐き気が止まらなくなりました。それほどまでにリアルだったということです。
戦争に関する映画を見て、知識を増やすというのも大切ですが、せっかく映画でということであれば、「感覚」で戦争を知るということも大切だと思います。この『サウルの息子』という作品はまさに「感覚」でホロコーストと知る映画と言えます。
関連作品
紹介できませんでしたが、おすすめの映画をタイトルだけ書かせていただきますね。
・『Uボート』(1981):ヴォルフガング・ピーターゼン
・『野火』(2014):塚本晋也 *かなりグロテスクなのでご注意ください。
・『プライベートライアン』(1998):スティーブン・スピルバーグ
おわりに
今回はメールいただきありがとうございました。今後とも映画ブログ「ナガの映画の果てまで」をどうぞよろしくお願いします。
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